2016年7月、Twitter上で「#推しのセリフにフルーチェを作りながらとつけると唐突に壮絶可愛い」というハッシュタグが突然話題となり、大きなバズを生み出しました。
お気に入りのセリフの後にカッコ書きで「フルーチェを作りながら」をつけることで、どんなセリフもかわいいイメージになってしまう。元の言葉とのギャップとの面白さもあり、フルーチェのハッシュタグはTwitterユーザーの心をつかみ、広がっていったようです。
フルーチェがユーザーの心を掴むことができた理由と、フルーチェの可能性を担当者に伺ってきました。
「ミルクを入れて混ぜる」のも面倒?
「フルーチェ」と聞くと、どんなイメージをもちますか?
「子供のころ作ったなぁ…懐かしい」
ついつい昔のことを思い出す方も多いのではないでしょうか。「ミルクを入れて混ぜるだけ」でおなじみの誰もが知っているフルーチェ。フルーチェが発売されたのは1976年。親子や子ども一人でも安心して作って楽しめるデザートを作りたい!という思いから開発されました。
実は、最近、商品開発担当の方は、フルーチェ離れに悩んでいます。多種多様なデザートがスーパーやコンビニで販売されるようになり、フルーチェはあまり手にとってもらえなくなってきています。
手を加えなくてもすぐに食べられるデザートがたくさん出ていますし、現代の忙しい生活の中では「ミルクを入れて混ぜる」ことすらも面倒に感じられてしまうのかもしれません。
実は、フルーチェにはミルクを入れて混ぜるタイプ以外の商品を発売してきました。飲むタイプや凍らせて作るタイプ、すぐに食べられるハンディータイプなどいろいろなものがあります。ロッテさんとコラボレーションし、ロッテアイスさんが販売している「フルーチェアイス」も生活者には好評です。
そのため、担当者の光安さんは「ミルクを入れて混ぜることにこだわらず、自由な発想で新しいフルーチェについて考える必要がある」と考えています。
”フルーチェを作りながら”がSNSで突如バズった!
光安さんが自由な発想でフルーチェの可能性について考えていくことが必要だと考えるようになったのには、Twitterでの出来事がありました。
ある日、Twitter上で「#推しのセリフにフルーチェを作りながらとつけると唐突に壮絶可愛い」というハッシュタグが突然流行したのです。
一人のTwitterユーザーが「フルーチェを作りながら」をつけるとなんでも可愛くなるとツイートしたところ、この投稿がすごい勢いでリツイートされました。ありとあらゆる画像や書き込みに「フルーチェを作りながら」が付けられて投稿され始めたのです。
この現象が面白いのは、企業側が意図的にしかけたのではなく、ユーザーが勝手に始めて、勝手に盛り上げていった点です。
「フルーチェ=愛着があり、懐かしい」という多くの人が共通して持つ商品イメージ。その商品イメージが強く人々の心に残っているため、どんなに辛辣なツイートでも「フルーチェを作りながら」のフレーズが元の辛辣さを帳消しにしてしまうギャップがウケたのではないでしょうか。新商品にはできない、みんなの体験の中にあるブランドだからこその現象でした。
フルーチェというみんなのブランドだから、みんなで作っていく
「もしかすると、フルーチェの可能性は一人一人の中にあるのかもしれない」
そう光安さんは感じるようになりました。フルーチェにはいろんなエピソードがあります。たとえば「兄弟が多いので、子供の頃は家族で分けてたくさん食べられなかったけれど、大人になってからは夢の“一人食べ”でいっぱい食べられてうれしい」という話。フルーチェを知る多くの方が、何かしらフルーチェに関する思い出を持っているのではないでしょうか。
フルーチェの認知度の高さは、新商品を作っていくにあたって大きな強みになります。ふとしたきっかけで、再びフルーチェが注目される可能性を秘めているのです。
光安さんはフルーチェの可能性について、こう語ります。
みんなでフルーチェの新商品を開発!
フルーチェを販売するハウス食品は、生活者の声を取り入れて、実際の商品化を行う先進的なマーケティングに取り組んでいます。多くの人が体験したことのあるクリームシチューに関するマーケティングも過去に実施しています。
今回、ハウス食品はフルーチェの商品企画部を「みんなのフルーチェの商品企画部」に変え、あなたの欲しいフルーチェを共同開発していくプロジェクトを立ち上げました。
フルーチェも2016年以降のライフスタイルに合う商品として生まれ変わるかもしれません。懐かしいフルーチェにまつわる記憶を掘り起こしながら、これからのフルーチェを一緒につくっていきましょう。
たくさんのアイデア、お待ちしています!(フルーチェを作りながら)