自分や生活者の本音をどう捉えるかが商品開発の鍵ーー高橋晋平さんに聞くアイデア発想のコツ(前編)

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Blabo!編集部
2017.01.04

『問題解決ドリル』の発売を記念して、おもちゃ開発者であり、アイデア会議のプロとしても知られる株式会社ウサギ代表取締役の高橋晋平さんに発想の仕方や商品開発の方法についてお話を伺いしました。

プロフィール: 高橋晋平。株式会社ウサギ代表取締役。おもちゃ開発者であり、国内外335万個販売のヒット玩具『∞プチプチ』や『∞エダマメ』などの開発に携わる。現在はアイデア・コークリエイターとして、様々な企業のチームと、アイデア会議を用いた商品・事業開発を行っている。著書に『アイデアが枯れない頭のつくり方』(CCCメディアハウス)他3冊。

自分や生活者の本音をどう捉えるかが商品開発の鍵

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坂田: おもちゃ開発者としてご活躍されていた高橋さんが起業されて、2年ほど経過しました。起業してからはいかがですか?

高橋: 元々、社内で行われるアイデア会議が大好きでした。ですが、社内で行われるアイデア会議って、「なんのためにやったんだっけ?」と思われてしまうことが多かったんです。

坂田: よくありますね。

高橋: 私が創業する時、アイデア会議は非常に重要なものだと、周囲に伝えていきたいと考えていました。人のアイデアは自分では出せません。人のアイデアを聴きながら、別のアイデアにつなげていく。それはとても有意義なことです。

坂田: アイデア会議をする際の醍醐味はそこにありますよね。

高橋: それで、自分なりに一番いい成果を出すアイデア会議とは何かを考え、それを実行して、商品を出していきたいと考えて、創業してからはいろいろと取り組んできました。

坂田: 高橋さんは商品のアイデアを考えるときって、どのようにされているんですか?

クリエイターとして自分の発想から商品を開発

高橋: クリエイターとして、自分がやりたい、面白い、そして、その商品を買いたいと思うモノゴトを企画します。でも、特に新人の頃は、本当に生活者はその値段で買うのか、という視点が抜けていることが多かったですね。

坂田: 自分の発想から商品を作ってらっしゃったんですね。

高橋: そうです。これはウケる、話題になると思って作っていたものの、自分でも買わない商品が生まれ、散々失敗してきました。失敗を重ねて、自分が本当にほしいかどうかを何度も振り返らないといけないと気づきました。商品開発をするためには、まず自分と向き合う。自分自身の本音と重なる部分を見つけないといけません。その点で、坂田さんの著書に共感する部分がありました。

坂田: ありがとうございます。どういった部分に共感いただいたんでしょうか?

高橋: 「生活者の本音」について紹介してくださったところです。うまく言ってくれたなと思いました。私は、生活者の気持ちをつかむ説明はあまりせず、あくまで100%本音だとわかっている自分事で話すことが多いんです。リサーチなどをしても、本当かどうかはわからない。正直、ネットのアンケート結果などは嘘だと思っているんですよね。

坂田: アンケートだけでは本音はわからないですよね。僕はマーケターなので、ユーザーの本音を発見するためにBlabo!を活用して対話をしたり、自分が実際に使ってみて相手の気持ちに憑依するなどしながら本音に迫っていきます。

高橋さんはマーケターかクリエイターかでいったら、クリエイターに近いタイプの方ですよね。クリエイターとして自分の本音とやりたいことが重なる部分で商品を作っている。

高橋: そうですね。自分が100%「ほしい」と思ったら、他にもほしいと思う人が存在する、という理論で商品を作っています。

坂田: 自分の独自性や自分が本当にやりたいことを掘り下げることも大事で、それがないと良い商品は作れないと思います。ただ、マス向けに売るためには、自分以外の人の考えを知ることが大切です。内側の意見だけを参考にしていては、自分っぽいものしか作れなくなってしまう。私はそうならないように多様な生活者の本音を自分の中に取り入れるようにしています。

高橋: なるほど。

多様な生活者の意見から新しい組み合わせが生まれる

坂田: 生活者って一言で言っても多様ですよね。地方に住んでいる人、主婦、シニア、みんな違うことを言います。Blabo!では、1つの企画会議に100人、200人が参加しますから、100通り、200通りの考えが集まり、その中から新しい組み合わせが生まれる。その状況を作り出すために、私は多様性を受け入れる力を高めようとしています。「100通りの中から、その通り!」を見つけるというか。

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高橋: 100通りの考え、というのはその通りだと思います。私もBlabo!の企画会議に参加していたときに、面白いと思ったポイントがありました。Blabo!に投稿されるアイデアの中に、自分は出せなかったけれど、”わかる”アイデアがあるんです。アイデアにも、自分が全く予想しなかった斬新なアイデア、出せなかったけどわかるアイデアなどいくつかパターンがあります。Blabo!では後者のアイデアに出会うことができて、いろんな考え方に触れることができました。

坂田: そういったアイデアに出会ったときは嬉しいですよね。

高橋: あれは嬉しいですね。企業側の担当者が商品を作る際に、担当者が共感するアイデアを吸収できるプラットフォームだと思いました。商品を開発するものとして、「やっぱり同じことを考えている人がいるんだ」という実感を持てます。

坂田: 他にBlabo!に参加して面白いと思われた点はどういったことがありました?

高橋: 自分がわかるアイデアに出会ったときに、1人の参加者として「もっとこうしたほうがいいんじゃないか」とアイデアを投げかけたくなることです。これは私がアイデア会議で実現したいことでもあるんです。アイデアが重なって、新しいアイデアが生まれる。

坂田: まさしく共創ですね。

どんなアイデアにも価値がある

高橋: そうです。他にも面白いと思った点があります。現場でアイデア会議をやっていて、実現したいけれど難しいと思ってきたことに、「緊張」があります。アイデアを出す上で、緊張は大敵です。Blabo!は良いアイデアを出してやろうと気負うことなく、何気なくアイデアを送ることができる。リラックス状態から出て来るアイデアにこそ本音がある。

坂田: 私も企業の商品開発ワークショップを定期的に開くのですが、企業のアイデア会議は大体緊張していますよね。緊張もなんとかしたいのですが、緊張以外にもなんとかしたいことがあるんです。

高橋: それはどんなことですか?

坂田: 以前、ハリウッド俳優のマシ・オカさんとお話していたときに、「You are enough(ありのままのあなたでいるだけで十分だよ)」を人にどう感じてもらうかが大事、という話になりました。あなたは今のままで十分なんだと、どう人に感じてもらうか。日本人は何かを言うことに対する自信がない。

自信がないから、当たり障りのないことを言ってしまい、大したことがないアイデアになってしまう。そうならないように、リラックス状態も大事だし、アイデアを言ってもいい状態を作ることが大事だと思っています。これがなかなか難しいのですが、言ってもいいんだという状態を作るために高橋さんはどうされていますか?

高橋: 私は自分が参加したアイデア会議では、自分が一番つまらないことを率先して言うようにしています。あとは、「何を言っても自分が拾って良いものに変えますから」と伝えるようにしていますね。動詞一覧表を持ってきて、全部の動詞から連想してみましょう、といってランダムに発想することを促したりしています。時間をかけたアイスブレイクと言えるかもしれませんね。

坂田: 日本人は間違えちゃいけないという意識がありますから、自分がハードルを下げる役をして安全圏を作ってらっしゃるんですね。

(中編に続く)

高橋さんが開催中のお題はこちら!

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憂鬱な月曜を楽しみな曜日に変えよう!いったいどんな仕組みや考え方をすれば、月曜日が待ち遠しくなる?

高橋晋平 高橋晋平

今回、インタビューにお答えいただいた高橋晋平さんは、現在Blabo!でアイデア会議を開催中!高橋さんから教わった発想のコツを参考に、アイデアを出してみましょう!

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