人を巻き込むプロ・藤澤陽さんが、本当に楽しめるイベントを始める原動力って?(前編)

みんなの企画談義
2017.09.14

Blabo!代表の坂田です。群馬県の前橋に変な面白い人がいる。前橋市34万人の市民全員が部員になっている「前橋OO部」というムーブメントがあるらしいという謎に惹かれ会いにいってから、早三年。

秋葉原の「うち水っ娘大集合!」イベントや、群馬の前橋で「前橋OO部」を始めた、人を巻き込むプロフェッショナル藤澤陽さんにお話を伺いました。

プロフィール: 藤澤陽。「前橋OO部」の発起人。秋葉原の「うち水っ娘大集合!」イベントや、群馬の前橋で「前橋OO部」など、楽しいを軸にしたイベントを開催する他、「ハイタッチガールズ」といったアイドルのプロデュースも手がける。マルチな才能を発揮するプロフェッショナル。

イベント企画の原点は秋葉原のあのイベント?!

藤澤: 僕は大学のために地元の前橋を出て、大学近くの秋葉原に住み始めたんです。その時に参加したのがリコリタというNPOグループの活動でした。

その活動で、最初に企画したのが「うち水っ娘大集合!」というものでした。一見、メイドさんがただ水をまくイベントに見えますが、自然環境のことを考えるような内容なんです。これが意外と注目され、秋葉原の多くのメイド店やオタク系ショップ、更には行政や大手企業を巻き込むような盛り上がりを見せてきたんですよ。

実はこの体験が今の僕の原点になっていて、このイベントを通じて「街でイベントを作るって面白い!」と、味をしめてしまったんです。

坂田: 藤澤さんのその後の活動につながる、「街×人」の原体験ですね。

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藤澤: 何が良かったのかなと自分なりに考えたのですが、それは多分、ギャップなのかなと思っています。「秋葉原なのに地球環境」っていう。

利己を追求していくと、利他につながる

藤澤: 普通、地球環境に関心がある人って、まず「地球や地域のために何ができるか」を考えるじゃないですか。でもリコリタは、突き詰めている人をどういい方向につなげていくかにフォーカスした。その道作りがリコリタの役目だと思っています。

リコリタという名前を漢字にすると「利己利他」。つまり「“利己(リコ)的な行動”=“自分の好きな事”をしていたら、いつのまにか、“利他(リタ)的な行動”=“社会のためになる事”になっていた。」ということです。

坂田: 確かに、人は自分にメリットがないとなかなか動かないことが多いですよね。

藤澤: 「うち水っ娘大集合!」も、地球環境のためという大義名分はあったのですが、実は「メイドさんや可愛い娘と一緒に打ち水がしたい」という強い原動力があったワケですよ。でもこうやって利己を強く打ち出したおかげで、多くの人に参加していただき、結果、打ち水という行為に興味を持ってもらえ、節電にもつながった。

地元がつまらない…

坂田: 「うち水っ娘大集合!」の他には「前橋OO部」を企画されていますが、それはどういった経緯で始められたのですか?

藤澤: 震災直後に2011年に地元に戻ったのですが、なんだか地元の雰囲気が暗く、やることもないしつまらないなと感じていました。そこで、前橋発で何かできないかな、と。

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ちょうど同じ頃、地元で「前橋自転車通勤部」をやっている奴らと出会ったのも大きかったですね。活動は自転車通勤とZINEという個人誌を作るだけ。ゆるい活動なのにみんなすごく楽しそうだったんです。

こういう活動をもっと広げたいなと思うようになり、勝手に「前橋OO部」の名刺を作って、周りの人に配りはじめました。

坂田: その行動力が藤澤さんらしいですね。

藤澤: 「34万人、前橋市民全員が部員です。今日からやってください」と伝えてみたりして、最初の数ヶ月はずっと1人でやっていました。でもなかなか広がらず、facebookでの“いいね”も少なく、3つくらいでした。結構落ち込んでいたんですよ。

坂田: それでもやり続けた理由って何だったのですか?

藤澤: 東京で大きなイベントを成功させてきたという意地もあったと思います。でも本音は、地元をもっと楽しくしたいという気持ちでしたね。

まあ、数ヶ月間くすぶっていた経験をしたおかげで、ようやく自分のマインドを変えていかなきゃって気づきました。過去の成功にすがっちゃダメだって。東京からの手法を前橋に持ち込むのではなく、前橋での手法を編み出すことが大切だということが分かりました。

そこで、考え始めたのが「この街に合うスタイルって何?」ということです。

何もないから、何でもできる地方の魅力

坂田: 確かに、東京で何か始めると、「OOも似たようなことしているよね」「OOみたいなもの?」と聞かれることも多い。東京には競合も多いし、先例もたくさんあるので、ある程度の完成度を求められたりもします。

藤澤: そうですよね。でも地方はその逆で、何もない。あるのは自由に使える場所くらいです。だから、東京での完成度や規模感をそのまま地方に持ってくるのではなく、地方なりの価値観を見出そうと思いました。そこで決めたのが、

「小さいことでもいいから毎日何かが生まれる街を作っていこう」というアプローチです。

坂田: 僕も先日福島に行ったのですが、地元の農家のみなさんがとても生き生きしていました。その姿を見て、地方って「楽しんだ者勝ち」だなって感じたんですよ。東京で何かを始めると必ず、「それって何の意味があるの?」「それって儲かるの?」と聞かれたりもする。「楽しさ」は価値として扱われていないことが多いんです。

藤澤: 「楽しさ」は僕の原動力でもあります。「前橋OO部」でも、あなたが好きな活動を、好き勝手にやってくださいというスタンスでした。おかげで、次第に部活が増え、現在は57カ所で活動中です。全国にも広がっています。

(中編に続く)

藤澤さんが開催中のお題はこちら

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今回、インタビューにお答えいただいた藤沢陽さんは、現在Blabo!でアイデア会議を開催中!ぜひ、気軽に参加してみてください。