経済産業省でロボット政策に携わる牛嶋さんに聞く 「みんなのロボットプロジェクト」のはじまり。

経済産業省
2016.02.09

2020年に向けて「世界一のロボット利活用社会」を目指す取り組みをおこなっている経済産業省。今回のプロジェクト発足に向けて、プロジェクトを担当する牛嶋さんにお話を伺いました。

ロボットPJ_牛嶋さんインタビューカット

プロフィール
牛嶋 裕之さん

経済産業省製造産業局産業機械課ロボット政策室所属。大学時代は大学ロボットコンテストに出場する等自身もロボット開発を行う。政府が掲げる「ロボット革命」実現に向け政策に携わる。

坂田:さっそくですが、このプロジェクトを始めることになったきっかけを教えていただけますか?

牛嶋さん:はい。まず、日本はロボット大国であるということはご存知ですか?日本の工場では約30万台の産業用ロボットが働いており、これは世界一の稼働台数なんです。

坂田:すごい。世界一だとは知りませんでした。

牛嶋さん:ものづくり産業が盛んな日本では、ロボットは、おもに自動車工場などの「ものづくり」の現場で多く使われてきました。日本の「ものづくり産業」の発展に大いに貢献してきたロボットですが、これから人口が減少していく社会においては、「ものづくり産業」だけでなく「サービス産業」でもロボットが活躍していくことが期待されています。「サービス産業」というとなにを連想されますか?

坂田:デパート、美容院、旅館やレストランといったあたりでしょうか。ほかにも、空港、図書館、保育園などの施設で受けるサービスもありますよね。

牛嶋さん:そうですね。サービス産業は、行われている場所や種類もさまざま。私たちは、毎日、生活の中の色々なシーンでサービスを受けています。そんなサービス現場でのロボット活用を考えるとき、「ロボットで作業を効率化したい」というサービス提供者側の視点も重要ですが、同時に、サービスを受ける側である生活者の視点も大切です。そのように考えていた時、鳥取県とBlabo!がコラボした『とっとりとプロジェクト』を知りました。「ロボット×サービス」にも生活者の視点を取り入れ、みなさんと一緒にロボットが街で活躍する可能性をぜひ探りたいと思い、今回このプロジェクトが始動したという経緯です。

坂田:なるほど。みんなが街でロボットにやってもらいたいと思うことは、たくさんありそうですね。それだけではなく、ロボットだからこそできる!ということもアイデアとして出てくるといいですね。

牛嶋さん:はい。「みんなのロボットプロジェクト」に参加する方々から、身近で新しいロボット活用のアイデアが提案され、それが2016年中にもサービスの現場で実現したらいいなと期待しています。日本では、優秀なエンジニア、クリエーターによって、多種多様なロボットが日々開発されています。そうした新しいロボットが、生活者の提案する新しい活用のアイデアによって、世の中へと羽ばたいていくことが理想です。

坂田:ロボットというと、22世紀の未来…と遠い先をイメージしがちですが、今年中の実現を目指しているんですね。今、具体的にはどんなロボットが登場しているんですか? どんなことができるのでしょうか?

牛嶋さん:ロボットの研究開発は飛躍的に進んでいて、物を運んだり組み立てたりするだけでなく、人の動きをサポートしたり、人と話したり、走ったり、飛んだり、泳いだりといった、さまざまな動きができるロボットが登場しています。最近は、それらの機能に、高性能カメラと画像認識技術、人工知能(AIなど)が加わって、ひとつの動きを繰り返すだけでなく、学習しながら状況を判断して動くことができるようになっています。さらには、そのようなロボットがネットワークにつながることで、複数のロボットが連携して動いたり、学習を共有したりすることも可能になりました。このような新しいロボットが活躍する場を増やしていきたいと思っています。

坂田:あまり知られていないですが、今のロボットは本当にいろんなことができるんですね。

牛嶋さん:そうなんです。ですから、今回のプロジェクトを通じて、大人から子どもまで、もともとロボットに興味がある方々はもちろん、これまでロボットに関わりがなかった方々にぜひ参加していただき、アイデアや意見を聞かせていただきたいです。もしかしたら、人間がやるのは難しくても、ロボットならやれる新しいサービスがあるかもしれません。

坂田:ロボットの専門家でないからこそ生まれる気づきや発想がありそうですね。プロジェクトの名前の通り、「みんな」で考え「みんな」のためのアイデアが集まるプロジェクトにしていきましょう。よろしくお願いします!

ロボットPJ_牛嶋さん・直樹さん